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ESSAY・BLOG

2020.04.28

踊るキューバ10「生きている博物館」


写真と文・小町剛廣

(この原稿は2001年に連載していたものです。
当時の臨場感を出すためにそのまま掲載しております。)

週刊 ジャーフル・連載第10回

ー生きている博物館ー

最近、キューバの映像をテレビ等でよく見かけるようになった。

ハバナをとりあげたものが多いが、
必ずといっていいほど、街並みに
40~50年代のアメ車が登場する。

革命以前のバチスタ政権の頃のものであるが
40年、50年経ってもなお、現役で走り続けている。
当然、故障は日常茶飯事だ。部品も今ではほとんどない。

ましてキューバはアメリカと国交を絶しているから
なおさらである。

私の友人で、個人タクシーをハバナで
やっている者がいる。彼の名はルイスといい、
代々ハバナで育った生粋のハバナっ子である。

彼は彼の親、そして彼の親はさらにその親から
受け継いで1946年の赤いシボレーを乗っている。
現在55歳のシボレーである。
ほとんどと言っていいほど、
部品は交換されていて、それもキューバで
作られた物である。
ボルト1個から必要なら、手作りで作る。

一度乗ってみるとよくわかるが、
アメ車はベンチシートにゆとりがあり、

夜乗ってみても、距離メーター、スピードメータ
ーのライトが上方より薄暗く、ボッと照らしてくれて、
とても雰囲気がいい。

ラジオは、今の番組を流しているにもかかわらず、
タイムスリップしたような古き味のある音を奏でる。

車の中から見る景色は映画の中のワンシーンといってもいい。
と、ここまではいいことずくめだが、
実際坂道ともなると、パワーがないので
周りの車にどんどん抜かれる。

そんなのはマシなほうで、運が悪いと
目的地へ着く前に止まってしまうことも多い。
一緒に押してあげることも、そんな時、頻繁にある。

ベンチシートも最初はいいが、
10分も座っているとお尻が痛くなる。
古めかしい演出の一つに穴の開いたマフラーとか
ラジエターが出す騒音も含めて古きサウンドに
聞こえたりしている。

その友人は客を乗せる時、
わざわざ降りてきて一ドアを開けてくれて、
降りる時も運転席から降りてきて開けてくれる。

素晴らしい演出と思いきや、ただ単に扉が壊れていて、
彼以外開けられないちょっとしたコツがあるのである。
そんな古き良きアメ車が多く走っているハバナ。

でも最近、韓国製、日本製の新車がかなり
増えてきている気がする。

何気なく友人に聞いてみた。ハバナで
一番古いアメ車はいつぐらいのもの?
彼は1908年のフォードでタクシーをやっている奴がいるぜ!
と答えてくれた。

私は翌日、必死で探したが出会えなかった。
そこで……キューバへ近々行こうと思っている人、
私の代わりにこの続きをやってください。

     
マタニティフォト専門スタジオモーツァルト
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