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ESSAY・BLOG

2020.04.28

踊るキューバ11「人種差別」


写真と文・小町剛廣

(この原稿は2001年に連載していたものです。
当時の臨場感を出すためにそのまま掲載しております。)

週刊 ジャーフル・連載第11回

ー人種差別ー

現在のキューバ人のルーツは、
昔からいた先住民族の末裔と違う。

約500年前、コロンブスがキューバ島を発見した際、
そこには約10万人ほどのインディオが住んでいたが、
スペイン人は全員虐殺してしまった。
今現在キューバに、その子孫は皆無である。

まずスペイン人が住み込み、アフリカから奴隷
として黒人を連れてくる。

その後アメリカの支配下となり、さらに革命後は
旧ソ連と手を結んだ。そんな中、中国華僑も
しっかりキューバには、潜り込んでいた。

以前、書いたことでもあるがキューバで人種差別はない。
ゆえに様々な肌色であったり、目の色
であったりといった融合が生まれる。

何度目かに訪れた際、いつものことだが旧市街
をカメラ片手に散策していた時のことである。

ぶらぶらして少し疲れたので、あまり行儀よく
ないが、カテドラル広場のそばの路上に腰を下し、
人々の行き交う姿を眺めていた。

私は普段、東京にいる時でも、雑踏の中で人を
眺めるのが好きである。
全くといっていいほど、十人十色で見ていて飽き
ないからである。

そんな時、私の傍らを褐色がかった肌で、
金髪っぽい髪をした、目の青い老女が通り過ぎた。

私は、今までそういった人を見たことがなく
唖然とし、頭の中が真っ白になり言葉が出なかった。

もう一度、見たいという気持ちとは裏腹に、老女
はあっという間に人混みの中に消え去った。

『何だったんだろう?』

私はホテルへ戻って夕食を食べてもその人が頭
から離れず、ガイドをしている友人のキューバ人
へ電話をした。

彼が電話の向こうで言った。

「それはハバーだよ!」
「違う違う。確かにババアだけど、ババアのことを
言ってるんじゃない」

私は彼の喋り終わる前にもう喋っていた。
例のごとく、日本語がいまいちの彼なのに、

疑うことなく返答してしまった。
彼はもう一度、
「KOMACHI  SAN
バ バアじゃないよ、ハバーだよ。」

と言った。

「ハバーって何?」

彼は笑いを抑えようと話すが、
やはり途中で笑ってしまい、
最後までなかなか話せず、結局聞き終わるまで
1時間以上かかってしまった。

ホテルから市内にかけているとはいえ、
お構いなしである。さすがラテンの国の人。

ちなみに①ルビアは白人の金髪
②トリゲーニャーは白人の黒髪
③モレーナは白人がもう少しこんがりしている。
④ハバーは褐色の肌、髪ストレートで金髪、目の色は青色がかっている
⑤ムラータは半黒人
⑥ネグラは黒人

…とのことである(番号に意味はありません)

簡単に言っても、この6種類に分別される。

ちなみにキューバでは男性も女性も日焼けする
のが好きである。
いまだにトリゲーニャーの日焼けした人とモレーナ
の区別が私には難しい……。

また、キューバで人種一差別がないというのを、
はっきり私が感じたのは、黒人の男性も女性も
はっきり自分のことを、ネグラ、ネグロと言うし
半黒人の場合でもムラータ、ムラートと言っている。
自分に自信を持って生きているからであろう。

また、キューバは、スポーツを始め、芸術等の
レベルが極めて高い。
これは人種の融合から来る要素もかなりあるのではないかと思う。

もしキューバで人種差別が行われていたら
ここまでの水準が作れたのだろうか?・・・

     
マタニティフォト専門スタジオモーツァルト
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